2013年3月22日金曜日

受験資格としてのTOEFL導入に対する疑問

「大学受験資格にTOEFL 国内全大学対象 自民教育再生本部、1次報告へ」 
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130321/edc13032101310000-n1.htm

これが本当なら、非常におもしろい試みだと思います。もちろん "funny"の意味で。

記事によると、「TOEFLは英語圏の大半の大学で留学志望者の英語能力証明として使われており、留学の活発化を通じて国際社会に通用する人材を育成する狙いがある」そうです。

うーん。。。
なんで学問(教育)が経済発展・国際競争の手段になってるの?(^^;)
と、ヒヨっこなりの疑問。

まず、留学したら本当に国際社会で通用する人が増えるの?いささか短絡的な気もします。

そもそもTOEFLなんかは大学入って留学したい人が受ければいいと思うし・・・(^Α^;)

留学するのにはお金もかかるし・・・(^Α^;)

また、留学の資格があっても大学の交換留学制度には「定員」がありまして(少なくともうちの大学ではそうです)、留学したくても定員に入れない、万が一定員に入れても得点が他の人に比べて低いがために希望の留学先に行けない、という人も少なくない。

留学させたいなら、入学前の篩い分けの手段を設けるのではなくて、大学に入ってからの留学制度の整備を優先させるべきでは?
留学を希望する人数が少ないなら、コース必修のプログラムで「海外研修」でも何でも入れればいいじゃないですか。金銭的援助有りの。完全に私費で行こうって人なら大学休学してでも行きますよ、留学。


そもそも大学は研究機関ですから、学問をする場だと考えています。(じゃあお前は学問してるのか、と聞かれたらちょっと焦りますが笑)
「グローバル人材」とかいう「国際競争に勝つための人材」を育成する場所ではないのではないかと。
ちなみに、教育基本法第1条には、教育の目的として以下のように書かれています。

 「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない」

・・・どこに「国際的に活躍できる人材を育成しなければならない」って書いてあるの?(´Д`;)

逆上がりも、リコーダーも、アサガオの栽培も、微分積分も、大化の改新も、羅生門の読解も、摩擦係数も、実生活で使う事はほとんどないけれど、ちゃんと「教育」です。
英語だけが教育ではなく競争の手段として扱われるのは、なんだか不本意なのであります。

もちろん、英語が使える生徒が増えるのは良いことだと思いますし、それは英語教育の責任であると思います。
ただ、TOEFLができないばっかりに大学教育が受けられない生徒も出てくる、というのはいささか問題ではないでしょうか。
ただでさえセンター試験・個別学力試験は受験性・高校教師にとってプレッシャーであり、負担です。それにTOEFLの点数基準が加わるとなると・・・うん。地獄絵図。
求めれれているスキルがだいぶ違いますから。


もちろんTOEFLや留学が無意味だとかそんなことを言うつもりはありません。
ただ、それを「受験資格」にまでしてしまうと、それこそ無茶苦茶なことになるのでは?
生徒(特に勉強が苦手な生徒)の将来の進路や夢を奪う事になるのでは?

ということで、まだまだ勉強中のヒヨっこ大学生は、この制度に関してはもう少し慎重になるべきではないかと考えます。
これがもし本当なら、の話ですが。

2 件のコメント:

  1. とても面白く読ませて頂きました。これはinterestingな意味で。笑

    この取り組みに対する考えはNinsoraさんとほとんど同じです。英語教育の目的化は近年多く指摘されつつあるように感じます。また、TOEFLに対応するために受験生の負担も大きくなることが予測されます。

    しかし、批判を覚悟の上で1点だけつっこませて頂くと、TOEFL導入による波及効果は高校の英語教育を変える力があるかもしれません。TOEFLは試験の性格上、4技能を測るためにスピーキングやライティングも実施されます。これらは各大学で測ろうにも実用性の問題で試験がしにくいという課題があります。例えばスピーキング試験のインタビュアーが足りなかったり、ライティングの採点にかける時間がなかったり…。
    話すことの指導をしたくても入試対策という面でなかなか力を入れられなかった現場では、TOEFL導入によりスピーキングの活動への動機付けが図れるのではないでしょうか。このようなメリットも認めた上で、NinSoraさんの記事にもあるようにTOEFL導入が秘めているイデオロギーを真剣にとらえる必要がありそうですね。

    個人的には高校での英語教育のみではTOEFLに対応することは難しく、結果的に塾や参考書会社などの受験産業が栄えることになりそうだと思います。「英語は原則英語で」がTOEFLに対応できる力をつけられるかどうかが楽しみです。

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    1. Mochiさん
      コメントありがとうございます。
      成程。確かにおっしゃるっ通りで、TOEFL導入で高校英語教育の現場は変わらざるを得ないですね。
      いわゆる訳読式の授業をスピーキング重視の授業に変えなければ、という強い思いがあるのかもしれません(>_<)

      いずれにせよ、学校教育を変えると多かれ少なかれ混乱は生じますから、今後どのような対策がとられるのかも注目していきたいですね。

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